People & Conversations
vol.03 | 2019 | December

BIG WAVE – 奥野由希

奥野 由希
アシスタントディレクター
2019年6月入社

京丹後オフィスに晴れて2人目のメンバーが増えました。
地元出身の奥野由希が仕事前の日課にしている
サーフィンの魅力について語ります。

最近の私の欲求といえば、「デカい波に乗りたい」ということ。私は京都の海沿いの小さな街、京丹後市で、仕事前のサーフィンを日課にして暮らしている。サーフィンを始めて3年になる私のテクニックが「デカい波」に釣り合ってきた、という訳ではなく、危なっかしい衝動であり、ちょっとした背伸びであることも自覚している。

早朝サーフィンは、人が少なく、晴れの日にはサンライズを拝むことができる。聴こえるのは波音だけ。すべてのことから解放された気分になれて、この上ない贅沢だ。時には大きな波に揉まれ、洗濯機状態になりながら岸に戻され、「何しに来たんだろう……」と情けなくなる日も。

まだサーフィンと出会う前の大学時代を私は大阪で過ごした。田舎者だからか、私がひねくれているからか分からないが、流行で溢れ返る「量産型」の街並みに戸惑っていた。「モノを自分の好みより流行で選ぶのだろうか」「私も誰かのビジネスに消費されていくのか」とまで思っていた。地元より遥かに巨大な街には、小さな抵抗を貫こうとする私が求めていたものは、長い地下街や立ち並ぶビル群を歩いても歩いても見つからなかった。

1年間のアメリカへの交換留学と、皮肉にもメインストリームにしっかり収まった就活を経て、私は地元にUターンした。そこで気付き始めた「なにもない」という自由。全ては自分のタイミング。好きなものが好き、ただそれだけ。きっと、大きな街でもそんなふうにできれば良かったのかも知れないけど、物理的にも精神的にも何かが邪魔をしていたのかもしれない。

そして、Uターンして2年目の秋、サーフィンと出会った。実は「カッコいいオンナ」になりたいという願望がずっとあって、その姿に少し近づける気がした。波乗りで大切なことは、波の選び方と、選んだ波にどう乗るか、ということ。どの波を選んでもいい。でも、乗れるか乗れないかはそれを決めた自分次第。私が目指すのは“自分”を表現するサーフィン。これこそが私が求めていた自由だ!!!と、気付けば虜になっていた。

振り返れば半年前、VEJとの出会いのきっかけも地元の海、八丁浜にあった。偶然の流れに身を任せるように飛び込んでみた未知の世界。藤原さんとふたりの職場で、少しずつ出来ることを増やしていきたい。この縁とチャンスを大切にしながら、いつか「デカい波」に乗ってやろう。