The Future is Already Here.
vol.02 | 2018 | December

テレワークから広がった新しい世界 – 藤原徹也

藤原徹也

映像部3DCGデザイナー
2017年9月から地元・京丹後市に移住。シェアオフィス内にVEJ京丹後オフィスを設立し、テレワークを行っている。

VEJ京丹後が設立されて1年が経ちました。
京丹後のメンバーは映像部の3DCGデザイナーである藤原徹也ひとりだけです。
東京から地元に拠点を移す形で始まった藤原のテレワークには、この1年の間にどんなトピックがあったのでしょうか。

文:加藤将太

テレワークをやってみて、会社員とフリーランス半々という感覚があります。会社から給料をもらっている状況だけど、京丹後のオフィスには僕だけしかいないので、自発的に動くことが大前提です。自分次第で良くも悪くも状況が変わっていく。そのやりがいに気づけたことが大きかった。

本社に勤めていた時、若い頃に比べると自分の成長が鈍っていると感じるようになったんです。一時期は会社を辞めて、京丹後に戻って異業種へ進もうと思ったこともありました。それほど自分のクリエイターとしての将来が見えなかったんです。

でも今はクリエイターの原点に立ち返ることができたというか。仕事をつくるためには出会いが必要だけど、デザイナーの僕はスキルを高めなければ、そもそも依頼すらありません。映像部のメンバーに伝わっているのかはわからないけど、どんな仕事でもより積極的にリアクションや意見を打ち返すように意識しているんですよ。これまで言葉でフォローしていたことを、何か形で見せたうえでやりとりする。ひとり離れた場所にいるという意味でも、僕がより前向きに変わることがみんなの刺激になるはずだから。

自分の意識の変化は京丹後での仕事に結びつくようになりました。地元のフェスの告知映像をつくったり、地元名産である丹後ちりめん(絹織物)の魅力を伝えるウェブサイトを制作したり、高校生に映像制作を教えたりもしました。

京丹後の網野高校の企画経営科では課題研究として、廃校を使ったおばけやしきづくりだったり、地元の名産でお寿司をつくったり、京丹後の観光ツアー企画などに取り組んでいます。僕はその一環として期間限定で映像制作の先生になったという。地域との関わり方を模索する中で、まさか高校生に授業することになるなんて思いもしませんでした。

授業の成果は地元の道の駅でプロジェクションマッピングをやること。僕も生徒も慣れないことに大変でしたけど、終わったあとに生徒たちから長文のLINEが届いて、あれは本当に嬉しかった。VEJの社員のまま移住してよかったなと実感できた瞬間でした。

京丹後では映像制作自体が盛んではないけど、こうやって地元の人たちにも映像の楽しさを少しでも伝えていきたい。テレワークがきっかけで、新しい世界が見えてきた気がしています。

WORKS

TANGO OPEN ウェブサイト

京丹後市の伝統産業「丹後ちりめん」。地元の名産の魅力を伝える新プロジェクトのウェブサイト制作を担当しました。

フェスタ飛天 告知映像製作

峰山町に伝わる「羽衣伝説」「七夕伝説」をコンセプトにした市民が手づくりで開催するイベントのプロモーションムービーを制作しました。

京都府立網野高校 地域活性化研究

京丹後市の高校生向けに映像制作指導を担当。映像制作の基本を学んだ成果として、地元の道の駅でプロジェクションマッピングを行いました。