働くこと、楽しむこと、生きること。
坂本 洋生 / マイケルJフォクス
VEJの宮沢喬(以降ミッチェ)とは10年ほど前、地元の友人であり一時期タブラを教わっていた師匠 ユザーンとレイハラカミさんのライブサポートを通じて知り合った。それ以来、お互いが関わるパーティーに誘いあったり、友人が企画するライブイベントに毎月一緒にレギュラー参加したりと親交を深めてきた。
またDJと並行して自分が勤めていたIT系ベンチャーの仕事や、アーティスト活動をしながら働くことなど、継続して泥酔しながら話し合った。タバコもよくもらった。VEJについてはミッチェを通して眺めていた輪郭から、VEJ創立15周年イベントでDJしたときのパーティーに漂うホスピタリティと、さまざまなアーティストとの関係性がつくる場の心地よさを今でも覚えている。そんな縁から一昨年会社を辞めた際、面接の機会を得たのだった。
ただ、当時は自分がVEJでできることが見つけられず、話は一旦保留に。しばらくDJとバイトで糊口を凌いでいたのだが、2019年に改めてミッチェから「プロジェクトマネージャーで人が足りなくなりそう」と話をもらい、今度は晴れて入社できる運びとなった。
VEJ甲府がサポートしている野外フェス「ハイライフ八ヶ岳」へ参加した経験は、DJや友人としてだけでなく、VEJのメンバーとして一歩踏み込んだ関係から何か一緒にやってみたいと思わされるきっかけだった。標高1,000m、最高の環境で楽しむVEJメンバーと、ステージ進行で心神喪失直前のミッチェの姿が焼き付いている。
長く勤めた職場を辞めたことや、それと前後して家族にもさまざまな問題が噴出したここ数年。収入や時間も安定しない、先行きも不透明。「DJとしての活動も、そろそろ潮時ではないのか」。そんな思いが何度となく頭の中をよぎった。
人生にヘコタレるばかりの日々だったが、「ハイライフ八ヶ岳」「JUNGLE FESTIVAL 2018」への参加や数度の台湾ツアー、初のソロ6時間DJセット開催(VJミッチェやユザーンのサポートも)、尊敬する先輩DJから渋谷の老舗クラブでのレギュラーイベントの誘いを受けるなど、今まで以上に不思議な縁ときっかけが続き、綱渡りのような状態のままDJを続けてきた。振り返れば20年以上、人生の中で一番長く続けてきたDJは、いつの間にか自分の人生や生活と同義になっていた。働くこと、楽しむこと、生きること。
「相談やオファーをくれた人の要望にどれだけ寄り添えるか。また、それを超える提案ができるか」。DJを通じて大事にしてきたことがVEJの仕事でも活かせるのではないか。最近はそんな風にも思い始めている。
今までもそうだったように、VEJを通じて関わる人々とよりおもしろいことや新しい発想での“パーティー”ができれば最高だ!なんて妄想も。お付き合いいただければ幸い。
マイケルJフォクス'S WORK
lowrider Neo
チカーノ・ソウル、ヒップホップ、レゲエ/ダブ,エレクトロ・ブギーファンクなど、ローライダー・マインドなメロー・サウンド/グルーヴで紡ぐミックステープ。ページ下の同僚・盟友MAHBIEもSEを提供している。
PROFILE 坂本 洋生
Webディレクター、プロダクションマネージャー。東京生まれ渋谷系育ち。200X年未来から“Back to”後、DJ活動を開始。多種多様なパーティーに参加しつつ流行や固定されたスタイル・ジャンルにとらわれない選盤センスに厚い信頼が寄せられている。キャリア初の6時間ロングセットを行うなど精力的に活動中。
10円ハゲを越えて。
佐藤 哲 / MAHBIE
大学卒業後は地元岩手に工場がある会社に就職して、2012年には両親と同居するために工場の近くに小さな家を建てた。
「いつかは音楽だけで暮らしたいなー」と根拠のない夢を抱きながら夜な夜なクラブ活動を続けつつも、「家も建てちゃったし、このまま岩手で暮らすのかもしれないなー」なんて思っていた2016年の夏、突如転勤で山梨へ。まさに青天の霹靂。自身の政策秘書の不祥事にコメントする森田健作から覚えた言葉だ。
それから1年間、平日昼間は工場で設計図を描き、夜は楽曲制作、週末は主に東京でビートライブやDJをするなどして生活を満喫した。
山梨の素敵なところ。特に多種多様な泉質の温泉にはいつも心身を癒されている。マイフェイバリットは最近ご無沙汰の正徳寺温泉初花。自分が温泉になった気持ちになれる温泉だ。仕事終わりには新遊亀温泉、草津温泉、石和温泉、トータス温泉、桜湯あたりに通っている。
マイペースな山梨での転勤生活は2017年夏に突如終わりを告げた。その頃には、敬愛する音楽レーベルJAZZY SPORTからアルバムリリースを控えていたり、山梨のラッパー田我流さんのBACK DJもしていた。前職を退職して音楽活動をしながら山梨で生活することを決断。床屋に行く度、「佐藤さん、また10円ハゲできてますよ」と言われる日々が始まったわけである。
それからは平日は楽曲制作、週末はほぼ全国津々浦々、田さんとのライブやソロのDJ、ライブの日々。テレビ朝日系「関○ャム」で楽曲が紹介されるご褒美があったりしつつ、あっという間に2年が過ぎていった。
2019年の夏、アルバイト先のフルーツ卸業者から帰宅して、Instagramを眺めていると、ミッチェさんの「VEJ甲府 人求む!!」という投稿が目に飛び込んできた。
「Web制作未経験でもかまいません。個人的には褒め上手な人だと嬉しいです」と書いてあったので、できるかもしれない…と思いすぐに「“ミッチェル”さん!」と連絡した。選考の結果、VEJ山梨の末席に加えてもらえることに。内定の連絡はりんご音楽祭のライブが終わった後だった。
入社後はミッチェさん、清水さん、アコさん他皆さんのご指導のもと、クライアントのWebサイトの記事作成、県庁企画の山梨県PRコンペのかじ取りなど、さまざまな仕事に挑戦している。
音楽活動にも今まで以上に打ち込めている。VEJが共催するハイライフには2018,19年と田さんのDJとして出演したが、社員として裏方業務もした今年は、気持ちを乗せたステージにできたと自分の中の自分も言っている。多くの課題をクリアして開催されたハイライフは心からすごいフェスだと思う。マッドリスペクト!
VEJに入社してよかったこと。それは、佐藤哲とMAHBIEを切り替えずに生活しなくてよくなったことだ。いつも自然体でいさせてくれる皆さん、ありがとうございます!勉強しなければならないことは膨大だ。少しずつ、しかしながら“やべー勢いで”できることをすげー増やしていきたい。
ビートレスラーMAHBIE'S WORK
SPACE BROTHERS
山梨にて交流を続ける田我流、そして自身が心の師と仰ぐ Bobby Bellwood とのコラボ曲を含む全12曲。ヒップホップやAORディスコなどの黒さ溢れるハイブリッドなビートとサウンドが世界を温かく揺らす。
PROFILE 佐藤 哲
Webディレクター、フロントエンジニア。岩手の大地に育まれたスペースブラザー。山梨県在住。ビートレスラーMAHBIEとして各地でDJやBEAT LIVE巡業を重ねる。2017年JAZZY SPORTから1stアルバム「Space Brothers」をリリース。最近は田我流のBACK DJもこなす。