The Future is Already Here.
vol.02 | 2018 | December

ライフワークとクライアントワークを両立する働き方

VEJでは熱意ある社員の個人活動を応援しています。
全社員がライフワークをもっているわけではありませんが、一人ひとりが情熱を注いでいることが会社に良いフィードバックをもたらし、仕事が個人活動の刺激となってくれたら。
やりたいことを後押しする環境が社員に与えている影響とは。

文:加藤将太 写真:山川哲矢

VJはお金稼ぎの手段ではなくアーティスト活動

映像部チーフディレクターの斉藤洋平はプライベートではrokapenis(ロカペニス)という名義で、VJとして活動しています。斉藤がVEJに入社したのは2011 年のこと。それまではフリーランスの映像作家・VJとしてキャリアを積み重ねてきました。

「当時シェアしていたオフィスを出ることになって、今後のことをミッチェ(VEJウェブ事業部の宮沢喬)に相談したんです。まずはVEJのオフィスをシェアさせてもらうことを考えていたんですが、代表の池田さんと話したら、どうせなら入社してみないかと誘ってくれて」

実は斉藤と同じように、宮沢もプライベートではmitchel(ミッチェル)としてVJ活動するという一面を持っています。音楽ライブの現場で共に映像演出に携わってきた盟友の誘いではあったものの、フリーランスを辞めるには相当な覚悟が必要なことです。また会社員に戻ろうという決断、その決め手となったのは池田の言葉だったといいます。

「僕がVJをやめられないことを率直に伝えると、池田さんは『ガンガンやってほしい』と気持ちよく受け入れてくれたんです。その条件として池田さんからは『何らかの形で会社にメリットがあるようにしてほしい』と言われました。僕にとってVJは自分の人生に必要なもの。映像の仕事はクライアントワークも好きだったので、自分の人生をまっすぐ進めるためには車の両輪のように、どちらのバランスも崩したくないんです」

VEJに入社後、斉藤はクライアントワークとVJ活動を両立させています。ロックバンドBorisのUSツアーではニューヨークで観客を熱狂させました。その他にVJとして海外に滞在しなければならない場合は映像チームのメンバーとチャットツールを使い、業務の連携をとっています。斉藤は「VJはクリエイターとして遅れを取らないためにも必要なんです」と強調します。

「VJの現場では通常の業務とはまた違う人たちとの出会いがあります。僕にとってVJはつねにインプットの場所であって。いま仕事をお願いしている撮影スタッフたちとの出会いもVJの現場でしたし、若いクリエイターたちの表現から刺激を受けることで自分も頑張らなきゃという気持ちにさせられる。この活動を通じてインプットしたものを会社でもアウトプットすることで、少しでもVEJのブランド力とクオリティとを高めていけたらと思っています」

VEJのブランド力とクオリティを高めていく。それは言い換えると、VEJにしかできない仕事を確立していくということだ。舞い込んでくる仕事を淡々と打ち返していくのではなく、作り手たちの顔が見えるクリエイションを打ち立てたい。そのために自身のVJとしての経験を活かすことができればと考えている。

「映像業界には本当に変革のタイミングが訪れています。ハイエンドな4K / 8KからAR / VRといった体験モノまで、さまざまな選択肢が増えている。ただそこに対してVEJのスタイルに合いつつビジネス化できるモデルは正直まだ出来ていないと考えていて。これから自分たちの新しいモデルをつくるためにも、僕は基本は映像に対するセンスやクオリティ、関係を持った人たちとの信頼関係がもっとも大切だと思っています。可能性を限定せず、柔軟に挑戦できるチームや仲間をもっと増やしていきたいです」

斉藤 洋平

映像部チーフディレクター / VJ
2013年入社。大阪芸大在学時からVJをスタート。関西アンダーグラウンドシーンでの活動を経て東京に活動拠点を移し、現在はクライアントワークと平行して、年間50本近くのVJを国内外にて行っている。

WORKS

YAMAHA YVC-200 コンセプト映像

前作に続いて昔から一緒にMVを制作している映像作家のMINORxUくんが撮影を担当した作品。
小道具の設定などをこだわりました。

CöshuNie「asphyxia」 MV

Worldʼs end girlfriendのMVを見てFacebook経由で発注があった作品。
アニメ主題歌に抜擢されたこともあり、YouTubeの再生回数が800万回を超えています。

安田女子大学 TVCM

CöshuNieのMVを見て発注があった作品。
アットアームズ社が制作を担当し、僕はディレクションに集中しました。
やりたいことができたと思います。

ENDON「BOY MEETS GIRL」 MV

ノイズとハードコアが融合としたエクストリーム音楽のある種の最先端バンド。
僕がライブを見て好きになり、MVを作り出して3作目になります。

mouse on the keys 中国ツアー2018上海公演

長くVJとして携わっているmouse on thekeysと今年は3度も中国に行きました。
中国には日本のバンドが行きやすい状況ができていると感じます

BLACK OPERA 「HOLE ON BLACK」

音楽レーベルBLACK SMOKER ROCORDSがラップのオペラを目指した企画です。
これまで出会った才能ある人々が集結し、映像と全体の構成に関わった思い入れのある作品。